特集1:今の「時事」がわかる。



特集2:「人」が伝える今。
roots & fruits | 岩崎氏



特集3:「写真」が伝える今。



roots & fruits

「富士山登山学校ごうりき」の近藤さんからご紹介の「roots & fruits」で“インタープリター”としてご活躍されている岩崎さんに、お話をうかがいました。

地元意識の開花


岩崎さんの写真
その人は、お洒落なカフェの前でさわやかな笑顔で迎えてくれた。お店の名前は「roots & fruit」、西富士宮駅から少し離れ、商店街から少し入った住宅地にある小さなお店だ。ちょうど1年前、所属していた自然学校から独立し、カフェを経営しながら地域活性や環境学習など、地元に根ざした活動を精力的に行なっている。

自然が昔から好きで関心が高かった岩崎さんは、大学を卒業後、一度は就職をしたが「自然に携わっていきたい」という想いから、「(財)日本野鳥の会」に所属し、三宅島や北海道の釧路湿原などをフィールドとして環境保護活動に没頭していった。

「北海道でよく通っていた喫茶店が、写真家さんが経営するお店で、富士山の写真に出会ってしまったんです」岩崎さんにとって身近だった山、日本一の山“富士山”の写真は、自らのアイデンティティに気付く出あいだった。「子供の頃、野山を駆け回って自然に触れていました。その背景にはいつも富士山があった」自然が好きという想いを授けてくれた地元の環境について、ふと考えてみたいと芽生えた瞬間だった。

環境意識の変化


インタプリテーションの写真
[岩崎さんご提供]
地元に戻った岩崎さんは、静岡県富士郡芝川町を本拠地とする「ホールアース自然学校」に所属し、環境学習など自然と人との交流を通じた楽しさを多くの人に伝えていくことに情熱を傾ける。そして「インタープリテーション」という何とも耳慣れない活動の一役を担っていくこととなる。

「環境問題は深刻で、自然は大切なのは多くの人が知っています。でも環境にいいコトを行動している人はそんなに多くありません。どうしたら“行動”してもらえるでしょうか」この行動を起こす“きっかけ”をインタープリテーションにより与えるのだという。人が行動に至るまでの心理的なプロセスを環境学習などにあてはめると次のようになると言う。
聞いたことは、忘れる。
見たことは、憶える。
体験したことは、理解する。
発見したことは、ふにおちる。

なるほど、環境意識をふにおちた状態で持つことができれば、私たちは自然に行動できるようになるのではないだろうか。岩崎さんはその信念をもとにインタープリターとしての道を歩むことになる。そして環境を守っていくことと共に、多くの人にその必要性や関心をもってもらい行動に誘うか、人と自然との橋渡しをしてあげられるかという、自らの環境意識の変化が膨らんできた。

潜在意識の刺激

先日、福島でインタープリテーションの講義を行なってきた岩崎さんは、楽しそうにその模様を話した。「皆さんを虫の世界に案内します、と告げた後で、見慣れた花の一部を拡大して見せたんです。そして、皆さんはヒトの感覚だけで当てようとするんですが、それが何の花だかなかなか分かりません」参加者はエコツーリズムを志す方たちで、普通に見れば分かるのだろうが、虫の感覚ではなかなか難しいようだ。


ルーペ片手にワタシは虫…
「次に、自分自身が虫になって見てみよう!ということでルーペを用意したのですが、もう一つ、虫になるグッズとして“カチュウシャ(髪留め)”に虫の触覚がついてる虫グッズなるものを用意して、それを装着しないかぎり虫の世界はのぞけないというルールを立てたのです」参加者は渋々、虫グッズを身につけ虫の世界にいくのだが、最終的には取り合いになったそうだ。「いかに虫の気持ちになって、世界を見渡せるかが重要なんです。テレビじゃこの感覚は真似できない。そして何よりも、普段なら目を向けない小さな花について考える “きっかけ”を提供することが大切なんです。」まさに体験し、新たな発見をすることで“ふにおちる”仕掛けである。

このように、参加者に直接触れてもらうことで物事を感じたり、考えたりしてもらうことを「ハンズオン」と言い、更に参加者の心を動かすことを「マインズオン」という。人が本やテレビなどから得られる情報を意識的に捉え行動する“顕在意識”を超え、潜在意識にまで刺激を受けることで、より実践的な行動へとつながり、日々の生活、社会をよりよい方向へと変えていくことにつながっていく。

ルーツ アンド フルーツ

ルーツ アンド フルーツの看板写真
岩崎さんは店の看板を見つめ、「roots & fruitsは、店の屋号でもあるんだけど、人と人とのつながりに根ざして、たくさんの実を結ぶという想いを込めた活動名でもあるんです。」と最後に語った。

今、岩崎さんは環境についての意識がゼロの人を1・2・3…と、そしてより多くの人に伝え大きな力とするため、カフェを拠点に草の根的な活動をはじめたばかり。地元の商店街活性にも一役買いたいと「託児所」を基点に“親子で行なう食育キャンプ”など積極的に活動しており、地元に着々と根づいている。

環境共生や地域活性、意識高い市民が暮らす豊かな街という大きな実をつけた富士宮市に訪れる日もそう遠くないだろう。

インタープリテーション

↑虫の知識は豊富、
 でも触るのは初めて!
 [岩崎さんご提供]
インタープリテーション(interpretation)というこの聞き慣れない言葉は、直訳すると、「通訳」という意味になります。環境学習の場では、インタープリテーションを行なう人、インタープリターを自然の解説者と意味づけています。

インタープリターの目的は、自然や文化、歴史(遺産)を分かり易く人々に伝えることにあります。自然についての知識そのものを、例えば教科書の様に知識として伝えるだけではなく、その裏側にある「メッセージ」を伝えるため、その技能や創意工夫は日夜高められています。

Information

岩崎仁さんのプロフィール
1974年 山梨県に生まれる
1998年 (財)日本野鳥の会に所属。自然保護活動などに従事
2000年 「ホールアース自然学校」にて、コーディネーターとして施設のソフト設計等を担当して活躍
2006年 12月、roots & fruitsを立上げ

roots & fruits
住所:〒418-0056 静岡県富士宮市西町6-10
TEL:0544-22-3454

イベント情報
イベント:日本一の親子食育キャンプ
日時:2008年1月19・20日(土・日)
場所:田貫湖キャンプ場
主催:さぼってんファミリー
連絡先:0544-22-6622
参加費:お1人様5,000円
コメント:
“食”を通して、私達の暮らしを見つめ直すをテーマに行う、1泊2日のキャンプです。



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